世界大百科事典(旧版)内の紡績手形の言及
【紡績業】より
…鐘淵紡績,摂津紡績は破綻会社を合併・買収して大規模化しつつ輸出向け良質太糸市場を独占し,三重紡績,大阪紡績は織布設備を拡充しつつ兼営織布市場を独占し,また尼崎紡績は国内向け中糸市場を独占し,それぞれ不況期にも高利潤をあげた。これらの大紡績は利潤の内部蓄積を進めて銀行・商社への金融的依存度を低下させてみずからの地位を強化し,原綿輸入の代金として綿花の輸入商に交付した〈紡績手形〉は銀行が争って低利で割り引くようになった。第1次大戦にともなう好況によって内外の需要は急増し,とくに綿布輸出が大幅に増えて,綿糸に代わって17年には輸出第2位の地位を占めるようになった。…
※「紡績手形」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」