世界大百科事典(旧版)内の細胞質遺伝子の言及
【遺伝】より
…
[遺伝の様式]
ふつうの生物,すなわち真核生物の場合,遺伝子は核と細胞質の両方に存在している。核に存在する遺伝子を核内遺伝子または単に遺伝子というのに対し,細胞質中の遺伝子を細胞質遺伝子またはプラズマジーンという。核内遺伝子およびこれに支配される形質は原則として両親性の遺伝を行い,メンデルの法則に従って後代に伝わる。…
【遺伝子】より
…ここにいう“遺伝的な意味”は主として機能的なものであり,RNAやポリペプチドの構造を規定したり,遺伝情報の発現・調節に関与する種々の分子の結合や離脱部位を構成したりすることであるが,偽遺伝子の場合のように,その起源を示唆する歴史的な意味も包含する。
[遺伝子の分類]
遺伝子はその細胞内の所在する場所により,核内遺伝子,染色体遺伝子,染色体外遺伝子,細胞質遺伝子,葉緑体遺伝子,ミトコンドリア遺伝子などに分類される。核内遺伝子と染色体遺伝子,染色体外遺伝子と細胞質遺伝子は同義である。…
【核外遺伝】より
…しかし,生物は核内遺伝子以外にも遺伝因子をもつ。その一つはミトコンドリアや色素体のような細胞小器官に存在するその生物固有の遺伝子で,細胞質遺伝子とよばれる。細胞質遺伝子およびこの遺伝子に支配される形質の遺伝を細胞質遺伝という。…
【細胞質遺伝】より
…一方,オルガネラと総称される他の細胞小器官のうち,ミトコンドリアと色素体はそれぞれ呼吸と光合成をつかさどっており,ともに少量のDNAを含んでいる。もっとも古くはコレンスC.Correns(1909)が細胞の核以外の細胞質部分にも遺伝因子が存在することを推測し,細胞質遺伝子plasmageneと名づけた。しかし,細胞小器官に存在するDNAが細胞質遺伝子の本体であることが明らかになったのはごく最近のことである。…
※「細胞質遺伝子」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」