総動脈幹残遺症(読み)ソウドウミャクカンザンイショウ(その他表記)Persistent truncus arteriosus

デジタル大辞泉 「総動脈幹残遺症」の意味・読み・例文・類語

そうどうみゃくかんざんい‐しょう〔ソウドウミヤクカンザンヰシヤウ〕【総動脈幹残遺症】

総動脈幹症

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

六訂版 家庭医学大全科 「総動脈幹残遺症」の解説

総動脈幹残遺症
そうどうみゃくかんざんいしょう
Persistent truncus arteriosus
(子どもの病気)

どんな病気か

 大動脈肺動脈が合わさり、総動脈幹という1本の太い血管となっている状態です(図11)。その動脈幹から、全身と肺に行く血管がそれぞれ分かれています。頻度は全先天性心疾患の約0.7~0.8%です。

原因は何か

 原因は不明です。胎児期の動脈は総動脈幹という1本の管で、それが次第に真中に壁ができて大動脈と肺動脈に分かれます。この分かれるはずだった総動脈幹が、分かれずに生まれてきた状態といわれています。

症状の現れ方

 生後早期に呼吸障害や哺乳不良、体重増加不良などの重い心不全症状が現れます。

検査と診断

 胸部X線検査で心拡大、肺血流増加の所見があり、心エコー超音波)で総動脈幹を確認することで診断がつきます。

治療の方法

 症状の出現に合わせて生後早期から強心薬、利尿薬などが必要となりますが、内科的治療は限界があり、手術が必要です。動脈幹を大動脈として使い、切り離された肺動脈を、人工血管などで修復する手術などが行われます。

病気に気づいたらどうする

 生後早期から症状が出るので、診断がついたら手術のできる施設に入院する必要があります。

長谷川 聡


出典 法研「六訂版 家庭医学大全科」六訂版 家庭医学大全科について 情報

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