世界大百科事典(旧版)内の総模式標本の言及
【タイプ標本】より
…また動物では,副模式標本のうちで完模式標本と性の異なる唯一の標本を,別模式標本allotypeに選ぶことができる。命名者が正基準標本(完模式標本)を特定せずに複数の標本を列記した場合,そのすべてを等価基準標本(動物では総模式標本)syntypesといい,そのうちでのちに一番よく記載に合致するものとして特定され,論文などで公表されたものを選定基準標本(動物では後模式標本)lectotypeという。正基準標本(完模式標本)や選定基準標本(後模式標本)が事故などで失われてしまった場合に,新しく選定されたタイプ標本が新基準標本(動物では新模式標本)neotypeである。…
【標本】より
…分類上とくに重要なのは,新しい種類の生物を発見し,それに学名をつける際(命名の際)に用いたタイプ標本(模式標本)である。タイプ標本には,命名する際に調べた標本の中から,著者が一個だけを選んで指定した〈完模式標本〉と,そのような指定をしなかった複数の標本からなる〈総模式標本〉がある。また,総模式標本に別の種類が混じっていたことが判明したなどの理由から,後の研究者が完模式標本に相当するものをその中から指定した〈後模式標本〉,以上のタイプ標本がすべて紛失して研究に支障を生じたため,やはり後の研究者が新たに指定した〈新模式標本〉の4種類がある。…
※「総模式標本」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」