ASCII.jpデジタル用語辞典 「総需要管理政策」の解説
総需要管理政策
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…その場合には総需要量を供給能力の大きさに見合う水準にまで増加させる必要性が生じる。ケインズ学派の総需要管理政策はまさにそのことを意図したものであり,増大しつつある潜在的供給能力を現実のものにするための政策にほかならないのである。おそらく,需要が供給にみたなければ,潜在的供給能力を増大させる刺激それ自体が弱まってきて,成長率も鈍化するであろう。…
…このように経済が通常需要制限下にあり,経済全体をとっても結局GNPは総需要に抑えられ,それによって決定されるというのが,有効需要の原理なのである。
[総需要管理政策]
総生産を決定する総需要の構成要素は,民間の消費需要,投資需要,政府部門による需要(公共的支出),それに外国からの自国の生産物に対する需要(つまり自国の輸出)からなる。有効需要の原理によれば,消費,投資,政府支出,輸出等が盛り上がれば自国のGNPは上昇するし,逆にこれらが落ち込めばGNPは下落することになる。…
…したがって,すでに大量の資本が蓄積され,かつ新市場開拓の見通しも暗いときには,独立支出中の民間投資が小さくなるために,労働も資本も豊かに存在するのに,それらが完全に雇用・利用されない状態,すなわち〈豊饒(ほうじよう)のなかの貧困〉とよばれる状態が生みだされることになる。この総需要不足のために生じる失業の解消策として提唱されたのがケインズの総需要管理政策であり,それは政府支出を増加させる財政政策あるいは利子率引下げによって民間投資を刺激する金融政策の形をとる。ケインズ理論は投資の少ないときには貯蓄を減らし消費を増やすことによって失業を減らすことができるという含意をもつため,消費を勧める浪費の経済学であると誤って解釈されることがあるが,決して正しい理解ではない。…
※「総需要管理政策」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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