織初め(読み)おりぞめ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「織初め」の意味・わかりやすい解説

織初め
おりぞめ

機(はた)を織るとき、布の織り始めの部分をいう。織り始めることを織り付けるというので、織付けという呼び名がいちばん通りがよいが、秋田県鹿角(かづの)郡ではオリモト、山口県の旧豊浦(とようら)郡地域(現在は下関市北部の地区)ではオッタテという。鹿児島県肝属(きもつき)郡ではオリタテといい、これを大黒様に供える。ここに藁(わら)しべを2本織り込んでおく風も全国的で、織付けをえびす様に供える所もある。長野県北安曇(あずみ)郡では布を使い始める日にとってしまうものとしており、もしできなければ、針を刺しておくという。地をよくみせるために、この部分とオリスギ(織り終わりの部分)とを2尺(約60センチメートル)ほどずつも作る所がある。機織りは昔は日常の労働であったが、神衣の機織りを連想するためか、作業の際の心構えが慎重であった。

[井之口章次]

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