世界大百科事典(旧版)内の《美しき者いまだ生まれず》の言及
【アーマ】より
…70年タンザニアに移住,レソトを経て79年にはアメリカへ移り,国外で文筆活動を続けている。《美しき者いまだ生まれず》(1968)は,首都アクラを舞台に,植民地構造の変革なき独立後の社会が呈した,組織と指導者の腐敗,奢る富者にへつらう貧者,人間的交感力の喪失などの病状を,汚物のシンボルを用いて克明に描いた衝撃の処女作。自伝的要素をもつ《砕片》(1970),《なぜに我ら,かくも祝福さる》(1972)に至る初期三部作は,物質欲にとりつかれた社会に孤立する良心の痛々しいまでに鋭敏な現状知覚を示した。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」