《義残後覚》(読み)ぎざんこうかく

世界大百科事典(旧版)内の《義残後覚》の言及

【怪談】より

…江戸時代に入ると,あらためて,民間の怪談を互いに語り合う流行が生じ,〈百物語〉〈お伽はなし〉〈諸国はなし〉が武家層から庶民層にまで,大いに行われた。人や動物の執念や,もののタタリが信じられており,文学史的現象としては,近世民間怪談を集めた《義残後覚》(1596)や荻田安静の《御伽物語》があり,この流行は〈百物語〉系統の出版となって長く続く。また《奇異雑談集》(1687),《怪談全書》(1698)など,話の種としての中国怪談紹介のブームの中で,浅井了意は《剪灯新話》をもとに《御伽婢子(おとぎぼうこ)》(1666)を書いて新しい文学的境地を開いたが,この系統から都賀(つが)庭鐘上田秋成伊丹椿園らの,知識人作者による現実批判としての幻想怪異小説が生まれた。…

※「《義残後覚》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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