考想化声(読み)こうそうかせい

世界大百科事典(旧版)内の考想化声の言及

【幻聴】より

…また声ははっきりときこえることもあれば,漠然ときこえることもあり,通常の声と同じこともあれば,人工的な声,機械を通した声であったりする。自分の考えていることが声になって聞こえてくるときは考想化声audition of thought,thought hearingといい,声としてよりも相手の考えが伝ってくると訴えるときは精神性幻覚という。幻聴に対して患者は不思議な,異様な感じをもつこともあるが(脳幹幻覚症のような脳の一部の障害による幻覚),多くは幻聴を信じ込んでおびえたり,怒ったり,耳をふさいだり,いわれるままに行動したりする。…

【精神分裂病】より

…街へ出ると,他人から変な目で見られ(注察妄想),あとをつけられ(追跡妄想),家では,食べものが変な味で(幻味),毒が入っていると思い(被毒妄想),食事をとらない(拒食)。自室にこもるようになるが(自閉),自分の悪口を言う声が聞こえ(幻聴),または自分の考えることが外から声として聞こえ(考想化声),自分のことが周囲に漏れていると感じ(考想伝播),動静がまわりの人にわかるのは部屋のどこかに盗聴器やカメラが仕掛けられているためと考える(説明妄想)。そのほか,行動が他人にあやつられ(させられ体験=作為体験),自分の考えが抜き取られ(思考奪取),他人の考えが吹き込まれる(思考吹入)と感じるなど,見えない相手に翻弄され,ときには興奮して突飛な行動に出たり,いっさいの自発性を失って昏迷状態に落ちこんだりする。…

※「考想化声」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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