耳小柱(読み)じしょうちゅう

世界大百科事典(旧版)内の耳小柱の言及

【あご(顎)】より

…下顎では,軟骨魚類の下顎軟骨と相同であるメッケル軟骨が終生維持されて骨格の一部をなす。もと魚類のえらの骨格だった舌顎骨は耳に入って耳小柱という音を伝達する小骨になる。 爬虫類の顎骨の構成は基本的には両生類と同様だが,古生代後期から現れた高等な種類では下顎の歯骨が拡大した一方,その他の皮骨が退縮または消失する。…

【耳小骨】より

…もとの舌顎骨は中耳の空間に移って棒状の耳小骨となり,鼓膜の内面と内耳の卵円窓を橋渡しする。この単一の耳小骨を耳小柱(あぶみ骨)という。爬虫類になると,耳小柱の外方端の近くに上顎の方形骨と下顎の関節骨(いずれももとは顎弓の一部)が位置し,これらがあごの関節をつくる。…

【耳】より

…こうした軟骨魚類の状態は,すべての脊椎動物の原型的な一段階を代表していると考えられており,両生類以上の動物の中耳の空所は,軟骨魚類の呼吸孔と相同のものと結論されるのである。 魚類から進化した両生類では,えらを失って陸生動物になるに伴い,もとの舌顎軟骨が変形して呼吸孔の空所に移り,外表の鼓膜と内耳の卵円窓(前庭窓)とをつなぐ耳小骨(これをとくに〈耳小柱〉と呼ぶ)になる。鼓膜は,呼吸孔の外口が開口せず,皮膚の膜として残ったものと考えられる。…

※「耳小柱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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