…フランス革命を経て19世紀に入ると,西欧では興行権が領主の手を離れて自由化し,舞台もはっきりと商業化・商品化するようになる。そのような中で,観客が呼べるスーパー・スター,フランスでいうところの〈聖なる怪物les monstres sacrés〉が出現,ひじょうな人気を呼んだ。たとえばサラ・ベルナールなどはその最後の典型にあげられよう。…
…しかし,ドレフュス事件をはじめとする暗い世紀末におけるE.ロスタン《シラノ・ド・ベルジュラック》のロマン派風韻文喜劇の国民的成功は,まったく例外的な劇場での成功であった。
[〈聖なる怪物〉の君臨と〈前衛〉の登場]
19世紀はまた,〈聖なる怪物〉と呼ばれたロマン派演劇の名優をはじめとする役者の君臨した世紀でもあった。大革命にもかかわらず継続したコメディ・フランセーズには,ナポレオンごひいきの擬古典主義的悲劇役者から,ロマン派好みの悲劇女優ラシェルを経て,世紀末にラシーヌ悲劇とユゴーとシェークスピアをともに演じえたサラ・ベルナールとムーネ・シュリーに至るまで名優が輩出する。…
※「聖なる怪物」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
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