世界大百科事典(旧版)内の《聖杯の由来の物語》の言及
【聖杯伝説】より
…《ペルスバル》未完の後を受けてただちにいわゆる《第一続編》《第二続編》(いずれも作者不詳),マヌミエによる《第三続編》が書き継がれてようやく物語は完結,さらにジェルベール・ド・モントルイユによる《ペルスバル続編》(1250ころ)が第二と第三の間に挿入された。他方,ロベール・ド・ボロンRobert de Boronの《聖杯の由来の物語》(1200以前)に初めて,キリストが最後の晩餐に用いた食器に十字架上のキリストの傷からほとばしった血を受けたものが聖杯(サン・グラール)であり,それが福音の象徴として西方へもたらされた次第が語られている。13世紀にはさらに散文により,《散文ランスロ》五部作中の傑作《聖杯の探索》や,別系列の《ペルレスボー》のような異色の秀作が生まれ,驚異のオブジェ〈聖杯〉の探索は,アーサー王の円卓の騎士たちの最大の仕事となったのみならず,現代にいたるまで,至高なるものや絶対的価値を求める行為の象徴・暗喩となっている。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」