世界大百科事典(旧版)内の聖画像破壊の言及
【イコノクラスム】より
…これに反し,ネストリウス派,単性論派等の東方諸教会にあっては問題とならず,また西方でも,信徒に対する純教育的見地から像礼拝が論じられたにとどまり,ギリシア教会のイコン神学は,カロリング朝神学者たちにより正しく理解されず,ニカエア公会議の教義に対し拒否的であり,ローマ教皇がその正しさを彼らに説得しなければならなかった。【渡辺 金一】
[美術]
イコノクラスムは,狭義には8~9世紀のビザンティン帝国で起こった聖画像破壊を指すが,超越的存在,不可視の聖なるものの表現に自然的形象,特に人間像を用いることを忌避する立場は,偶像主義の美術(たとえばギリシア・ローマの自然主義的神人同形像)と対立して,美術史上広く現れている。原始宗教においては一般に超自然的存在は表されず,神道では長い間神像はなく,仏教美術でも西方から触発されるまで仏陀はもっぱら象徴(菩提樹など)によって表された。…
※「聖画像破壊」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」