職権探知主義(読み)しょっけんたんちしゅぎ

世界大百科事典(旧版)内の職権探知主義の言及

【職権主義】より

…(a)一度訴訟が係属した以上,事件について当事者による処分を許さず,つねに裁判所の裁判によって事件を終結させること(不変更主義)を要請する。(b)証拠について,当事者が提出したものに限定せずに,裁判所が必要と認めるものにつきみずから証拠調べをすることができること(職権探知主義または職権審尋主義)を要請する。(c)訴訟の進行について,これを当事者の任意に任せることなく,裁判所がみずからの責任のもとに行うこと(職権進行主義)を要請する。…

【人事訴訟】より

… 財産関係を主体とする通常の民事訴訟(たとえば,貸した金を返せとか,家屋を明け渡せ,損害賠償を払え,とかの訴訟)と対比すると,人事訴訟の特徴は次の2点に要約できる。第1は職権探知主義の採用である。職権探知主義とは,訴訟の審理の主導権を裁判所が握り,とくに審理に必要な資料の収集を当事者に任せきりにしないたてまえである。…

【弁論主義】より

…訴訟法,とくに民事訴訟法において,判決の基礎となる事実に関する資料の収集・提出は当事者の権能・責任であるとする原則。職権探知主義(判決の基礎となる事実資料を裁判所みずからが収集するという原則)に対する。広義では,訴訟の開始,判決対象の設定(民事訴訟法246条),判決によらない訴訟の終了(訴えの取下げ,和解など)を当事者の意思に任せる処分権主義をも含んで弁論主義と呼ぶこともある。…

※「職権探知主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

焦土作戦

敵対的買収に対する防衛策のひとつ。買収対象となった企業が、重要な資産や事業部門を手放し、買収者にとっての成果を事前に減じ、魅力を失わせる方法である。侵入してきた外敵に武器や食料を与えないように、事前に...

焦土作戦の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android