世界大百科事典(旧版)内の脛裳の言及
【礼服】より
…しかし礼服は唐の服制をそのまま踏襲したものとみるよりは,礼服冠や褶の来歴を勘案すると,冠位十二階以来の,日本固有の衣服制の系統を引いたものと考えられる。なお,五位以上が礼服を着用すべき儀式の際に,五位以下の者は朝服を着用して臨んだが,大宝令段階では文官男子のそれは,〈脛裳(はばきも)〉と称する,おそらくは裳形式の下衣をまとうものであった。礼服の製作は当初製衣冠司で行われ,支給されたらしいが,741年には着用者が私的に備え作るべきものとされ,823年(弘仁14)には礼服を準備できずに,朝賀の礼そのものに出席できない人も多いとして,凶年の間は礼服の着用を停止する詔が出されている。…
※「脛裳」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」