化学辞典 第2版 「自己プロトリシス」の解説
自己プロトリシス
ジコプロトリシス
autoprotolysis
両性溶媒は,ブレンステッド酸・塩基概念による酸性と塩基性の両方の性質をあわせもち,両性溶媒をSHで示すと,
SH + SH SH2+ + S-
のように溶媒分子間でプロトン授受を行う.これを自己プロトリシスといい,その平衡を自己プロトリシス平衡,平衡定数を自己プロトリシス定数(autoprotolysis constant)という.水の自己プロトリシス平衡は,
H2O + H2O H3O+ + OH-
で表される.H3O+イオンとOH-イオンの活量を,それぞれa(H3O+),a(OH-)で表すと,水の自己プロトリシス定数
Kw = a(H3O+)a(OH-)
は水のイオン積とよばれ,その値は25 ℃,1 atm で1.0×10-14 である(1 atm = 101.325 kPa).
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報