自溶性焼結鉱(読み)じようせいしょうけつこう

世界大百科事典(旧版)内の自溶性焼結鉱の言及

【高炉】より

…このとき未還元のままスラグ中に含まれる溶融状態のFeOは滴下帯内のコークス粒子によって直接還元反応を受けてFeに変化し,ただちに炭素を吸収して滴下帯内を流下する。 FeO(液)+C(固)―→Fe(液)+CO(気) なお,塊状帯での間接還元反応が容易に進行すること,および融着帯内で軟化,融着を起こしにくいことなどの特徴をもつため,日本では鉄鉱石としてとくに自溶性焼結鉱(石灰石を焼結鉱中に配合させたもの)が好んで用いられており,このため世界で最も高い高炉生産性を誇っている。 融着帯より下部の領域はコークス粒子が充てんされた状態になっている。…

【製鉄・製鋼】より

…1950年代からの技術の進歩はめざましく,数々の新技術が開発され,第2の革命期となった。すなわち製銑については,高炉の容量がますます大型化して有効内容積5000m3級の高炉が出現し,装入原料の整粒,後述する自溶性焼結鉱,ペレットの利用などの予備処理の強化,高温送風,酸素富化,送風調湿,さらに羽口からの燃料吹込み,高圧操業などが実施され,計測技術と計算機導入などと相まって,高炉の安定操業,生産性が著しく向上した。 製鋼技術では,工業用低廉酸素の利用により,酸素製鋼法が急速に普及し,平炉・電気炉への酸素の利用も著しく,従来の鉱石法では望みえなかった極低炭素までの脱炭が可能となり,燃料,電力原単位の低減,生産性の向上に大きな寄与をした。…

【鉄鉱石】より

…その燃焼熱で粉鉱石どうしを溶融結合させた後,冷却したものが焼結鉱である。原料混合の際に,石灰石を添加した焼結鉱(自溶性焼結鉱と呼ぶ)は,高炉内で一酸化炭素によって鉄が取り出される反応が容易に進行し高炉の生産性を著しく高めるため,とくに日本では好んで用いられる。1980年代初頭の日本での高炉で使用される塊鉱石,ペレット,焼結鉱の割合は,それぞれ約15%,10%,75%である。…

※「自溶性焼結鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」