自然の階段(読み)しぜんのかいだん

最新 地学事典 「自然の階段」の解説

しぜんのかいだん
自然の階段

ladder of nature

自然界の無生物および生物の存在が,階層的に系列をなして配列しているという思想アリストテレスに始まり,18世紀のC.Bonnetに代表される。自然の階段ラテン語scala naturae)は,そもそも神の創造一定パターンを意味し,非生物から植物,下等動物,高等動物,人間,天使へと完全な連続性をもつ永遠不変な創造物との思想に基づく。自然の階段の観念が,自然は連続したもので,これにより生物が変化発展したあかしとする進化論の基礎となった,との見方もあるが,むしろ反進化論の基礎観念とみる場合が多い。

執筆者:

参照項目:自然の階層性

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内の自然の階段の言及

【進化論】より

…これらの考えは,民間伝承と哲学が結びついたにすぎないともみられるが,また他方,造物主の観念に束縛されない自由性をもつ点で評価されることもある。アリストテレスは自然物に関し,無機物から下等植物,ついで順次に高等植物,植虫類,下等動物,高等動物,最上位に人間という配列がなされるということ,すなわち後世いう〈自然の階段scala naturae〉の考えをのべた。もしこれを時空的発展として解釈すれば進化論ということになり,それでアリストテレスを進化論者の列に加える意見もあるが,一般には認められていない。…

【ボネ】より

…生物の発生に関して前成説の立場をとったが,彼の説は,後成説側からの実験的批判も考慮された修正版前成説であり,広く支持を受けた。また〈自然の階段〉の思想を受け継いで発展させたことでも知られる。主著に《昆虫学研究》(1745),《生物体についての考察》(1762)などがある。…

【ラマルク】より

…《動物哲学》(1809),《無脊椎動物誌》(1815‐22)などの著書に,彼の進化論が展開されているが,当時彼の思想はキュビエらの猛反対にあい,受け入れられず,晩年は失明し,失意のうちに死亡した。 ラマルクは,無脊椎動物の分類を進める作業の中で,生物分類体系の問題を考え,生物を神経系の発達段階を基にして,低次のものから高次のものへと,〈自然の階段〉の発想にそって分類した。最初彼は,これを静的・固定的秩序であると非進化論的に考えていたが,やがて,自然界には,発達する力が内在しており,それによってまず無機物から自然発生によって最も単純な生物が生じ,それが前進的発達傾向によって,しだいに複雑な生物へと進化してきたと考えるようになった。…

※「自然の階段」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

《モスクワに遠征したナポレオンが、冬の寒さと雪が原因で敗れたところから》冬の厳しい寒さをいう語。また、寒くて厳しい冬のこと。「冬将軍の訪れ」《季 冬》...

冬将軍の用語解説を読む