自然法論(読み)しぜんほうろん

世界大百科事典(旧版)内の自然法論の言及

【悪法】より

…このような法律が従うに値するものであるか否かについて,〈悪法も法であるか〉という問題が生ずる。この点については,古来自然法論と法実証主義とが対立してきた。前者は多くの場合実定法を超越する理念や価値が客観的に存在するとし,それに反する実定法はおよそ法たる資格のないものであり,したがって,それに対しては不服従が自然権としてまた義務として肯定されるとする。…

【バスケス】より

…スペインの法律家で,後期スコラ学の自然法論を代表する一人。ドミニコ会修道士ソトの友人で信奉者。…

【プーフェンドルフ】より

…88年にはブランデンブルク選帝侯の修史官としてベルリンに移る。法学者としてのプーフェンドルフは,グロティウスと並んで,神学から解放された合理的な近代自然法論の主要な代表者であるが,同時に,歴史的な観点から,自然法を具体的な国家の実定法と結びつけて論じたところにその特徴があり,主著《自然法と万民法》(1672)は18世紀の政治思想に深い影響を与えた。【成瀬 治】。…

【法哲学】より

…ストアによれば,〈宇宙の理法〉が善悪の判断に対して,そして正邪の判断に対しても,基準を与えてくれる。ストアの客観主義的正義論は,紀元前1世紀後半ごろ,ローマ法における〈万民法〉の思想とも融合して,〈自然法論〉を形成し,後世の思想に大きな影響を与えた。自然法論によれば,人為によらず,自然または神の与えた法,すなわち〈自然法〉,というものが存在し,それが人間の作った法律・制度や人間の行為の正しさの判定基準となる。…

※「自然法論」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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