落ちこぼれ(読み)おちこぼれ

世界大百科事典(旧版)内の落ちこぼれの言及

【学力】より


[学力論争]
 以上のように,期待される学力は,時代や社会諸階層の要求あるいは教育目的によって異なるが,学力問題がとくに深刻な様相を呈するようになったのは,高校,大学への進学希望者が急増し,東大を頂点とした大学間格差が明瞭となり,学歴社会が重大な社会問題となってきた1970年代以降である。71年,教育研究所連盟は,教師が,授業についていけない子どもが半数以上存在するとみているとの調査結果を発表し,学力格差の広がりが固定化しており,以後〈落ちこぼれ〉が流行語になるほど低学力が問題となった。注目すべきは,この事実自体の原因のとらえ方や解決の方向について相対立する立場があることである。…

【学校】より

…50年代後半からはその性格が改められ,教科書への拘束力が強化され,このため教科書は画一化と寡占化の傾向を強めた。また50年代以降の国際的な科学・技術の発展への対応にあたり,教育内容を十分に整理しないまま新しい内容を付け加えた(たとえば小学校算数に〈集合〉を追加)ため,内容が難しく,しかも量が増えたので,70年代からは〈落ちこぼれ〉が流行語になるほど,授業についていけない子どもが増えた。これとほぼ並行して高校で,80年代に入っては中学校で校内暴力,登校拒否,非行が急増し,教師は学園の秩序の回復に向け懸命に努力しなければならなくなった。…

【児童期】より

… 小学校教育においてこのところ重視されるようになったのは中学年(三,四年生)の指導である。この時期は学力格差が著しくなり,登校拒否や非行の件数も増大するなど,いわゆる〈落ちこぼれ〉が目だつためである。発達心理学的にみると,9,10歳ごろは抽象的思考への移行がはじまるとともに,ある程度まで他者(仲間)を意識しつつ,それとの対比で自己を見つめはじめる時期である。…

※「落ちこぼれ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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