世界大百科事典(旧版)内の落着三日厨の言及
【宴会】より
…そうした貴人等は,中央から派遣される使者,赴任してきた国司などさまざまであるが,こうした者が目的地に到着すると,人々は自分たちの共同体の境界地点まで出向いてこれを迎え(境迎(さかむかえ)という),その日からはじめて3夜連続の酒食のもてなしをし,多量の引出物を贈るのである。その酒食のもてなしを古くは〈供給(くごう)〉といい,後に落着三日厨(おちつきみつかくりや)と称したが,これは貴人,賓客,まれびとに対する共同体としての奉仕であった。平安時代の末に成った《類聚名義抄》が,〈供給〉の和訓を〈タテマツリモノ〉とし,〈饗〉を〈ミツギモノ,タテマツル〉と読んでいるのは,こうした社会慣行の存在を背景とするのである。…
【供給】より
…〈ぐきゅう〉とも読む。和訓は〈たてまつりもの〉(《類聚名義抄》)。今日〈供給〉はひろく〈需要〉に対する語として用いられる。需要があれば物資を提供するのが供給(きようきゆう)で,その場合,食糧・石油・電力など提供される物資の種類はとくに限定されず,また提供を受ける者は一般の需要者・消費者すなわち不特定多数である。だから〈A(物資)をB(被提供者)に供給する〉場合,通常〈Bに〉を省略して,いわないことが多い。…
※「落着三日厨」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」