世界大百科事典(旧版)内の葉椀の言及
【食事】より
…陶器の普及以前には素焼きの土器も食器とされたが,土器の使用が盛んではなかった民族のあいだでは,木器のほかに北アジアでは樹皮をつづりあわせた食器,サハラ砂漠以南のアフリカ大陸ではひょうたん製の食器,太平洋諸島ではココヤシの葉を編んだマットやバナナの葉に食物を盛ることがおこなわれた。木の葉をつづりあわせた葉椀は現在でもインドでは使い捨ての食器に用いられるし,日本の古代においても使用されたと考えられる。 食物を口に運ぶには,もともとは手づかみであり,現在でもアフリカ,中近東,インド,東南アジア,太平洋諸島,中南米の原住民のあいだでは,手づかみで食事をする手食の伝統が生きている。…
【包み】より
…日本の先史時代における包みの材料としては,芋,ササ,ホオ,カシワ,フキ,カキなどの葉,竹の皮,ハランなどがかっこうのものであったらしい。神への供膳用の食器として葉椀(くぼて)(カシワの葉を並べて,竹ひごでとじたもの)が《延喜式》に見える。また食料の運搬と保存には植物の実の殻(ひょうたんなど),貝殻,獣皮,魚皮,織布,すのこなども利用されたことが遺跡出土品から認められる。…
※「葉椀」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」