世界大百科事典(旧版)内の蓮華生の言及
【バルド・トエ・ドル】より
…正式の題名は《“安寧神と忿怒神を観想することにより自己を解脱させる深遠なる宗教書”の中より,中有(ちゆうう)(バルド)の状態での聴聞(トエ)による大解脱(ドル)》。チベット仏教の祖聖パドマサンババ(蓮華生)によって著され,セルデン河畔のガンポダル山に秘匿された埋蔵経(テルマ)の一つで,その後パドマサンババの第5の転生者である超能力の霊感の具有者リクジン・カルマリンパ(14世紀?)によって感得・発掘されたとされる。 本書は,チベットで死に赴く病人・死者に対してその枕辺で僧の読誦する,日本の〈枕経(まくらぎよう)〉に相当する性格を有し,かつその後7週間にわたって亡魂供養のため唱えられるお斎(とき)の経としても用いられる。…
【密教美術】より
… 密教のアジア諸国への伝播にはいくつかの道があった。密教成立後100年ほど後の747年,パドマサンババ(蓮華生(れんげしよう))がチベットに入り,土着のボン教と融合してラマ教を開いた。その後ラマ教はモンゴルに入り,元朝がこれを採用して中国,朝鮮にまで伝播した。…
※「蓮華生」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」