世界大百科事典(旧版)内の藤原鏡の言及
【鏡】より
…瑞花双鳳鏡はやがて瑞花を日本でよくみられる松や楓,梅に替え,鳳凰も空想的な鳥でなく親しみやすい鶴,尾長鳥,鴛鴦,雀などに替え,松鶴鏡,楓双鳥鏡,梅樹雉子鏡などとなり,さらに山岳,洲浜,水流,草花を加えて秋草双雀鏡,洲浜松樹双鶴鏡などといった風景文様を表したものへと発展し,12世紀の初め平安後期にいたり,日本的な情趣をもつ和鏡を完成させる。この時期の鏡の特色は総体に鏡胎が薄く軽量であること,縁も細縁で鈕もつつましい素鈕が多く文様は花鳥を中心とした優雅なものであり,表出も薄肉繊細で,平安時代の貴族の趣好を端的に反映させており,藤原鏡と呼ばれている。山形県羽黒山鏡ヶ池より発見された羽黒鏡はその代表的なものである。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」