世界大百科事典(旧版)内の術中自己血輸血法の言及
【自己血輸血】より
…自己血輸血のしかたにはいくつかの方法がある。すなわち,(1)保存血の有効期間が3週間であることから,採血した自己血の有効保存期間中に手術を行って出血を補うという保存自己血輸血法,(2)採血した血液を血球成分と血漿成分に分離し,前者にはグリセリンを添加して-85℃または-196℃の液体窒素で凍結保存,後者は-20℃以下で凍結保存し,手術当日に両者を解凍して輸血する冷凍血液(解凍赤血球)による自己血輸血法,(3)手術直前に採血し,代りに患者には同量の晶質液か膠質(こうしつ)液を輸注し,術後に輸血する血液希釈法,(4)手術中に腹腔内または胸腔内に出血した血液を吸引回路で貯血槽に吸引したうえ,血液をフィルターでろ(濾)過して輸血する術中自己血輸血法などがある。この場合,消化管損傷による血液汚染があったものは用いない。…
※「術中自己血輸血法」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」