世界大百科事典(旧版)内の裁判国家の言及
【権力分立】より
…それゆえ,近代憲法のもとでの権力分立は,議会による立法権の掌握と,議会制定法による行政・司法両権の拘束を核心とする,多かれ少なかれ議会優位型の形態をとっていた(立法国家)が,その後,現代においては,さまざまの変容をこうむるようになっている。行政権についていえば,一方で,君主ではなく,国民意思による権威づけを与えられた行政府首長が重要な役割を演ずることによって,議会による民意の独占が破られ,他方で,そもそも民意のとどき難い官僚制部門が強大化し(行政国家),裁判所に関しては違憲審査制の役割が大きくなり,少なくとも裁判過程の法創造性が強まる(裁判国家)。そのうえ,国家すなわち政治権力だけでなく,さまざまの社会的権力が,〈権力〉分立の問題のなかに登場してくることになる。…
※「裁判国家」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」