世界大百科事典(旧版)内の裏金の陣笠の言及
【陣笠】より
…江戸時代には百重張(ももえばり)といって紙製で,正面を吹きそらせて漆塗りとしたのを陣笠と呼んで,士分の非常の際のかぶり物とした。とくに表を白たたき塗りとして裏全部に金箔(きんぱく)をはったものを裏金の陣笠といって,火災のときに将軍に報知する近侍の料とした。しかし1863年(文久3)からは不穏な世相に対応して,一般武士の往来にもそれまでのスゲ(菅)製の一文字笠を廃して陣笠を用いるようになり,大名以下諸大夫までは白塗りの裏金で,布衣(ほい)までは黒塗りの裏金,御目見までは藍(あい)色の裏金,御目見以下陪臣は表裏ともに黒塗りまたは錆色塗りと規定された。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」