…この経験の起源は内外の知覚経験,すなわち外的な〈感覚〉と内的な〈反省〉である。この二つの起源から生じた精神内容である〈観念〉には,感覚や反省に直接与えられる〈単純観念〉と,それに精神の機能が加わって成立した〈複合観念〉(空間,時間,数,無限,実体,因果など)とがある。このようにロックの経験論は,一方で,人間の知識は,知覚経験から出発してしだいに形成されていくとする感覚論と,他方で,この知識の形成原理の側にも力点を置く合理論との妥協であった。…
※「複合観念」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」
貨幣 (名目) 賃金額を消費者物価指数でデフレートしたもので,基準時に比較した賃金の購買力を計測するために用いられる。こうしたとらえ方は,名目賃金の上昇が物価の上昇によって実質的には減価させられている...