世界大百科事典(旧版)内の西村兼文の言及
【偽書】より
… (1)は美術品一般に見られる〈偽造forgery〉のことで,シェークスピアの真筆と称し多数の偽文書を作成したイギリス人アイルランドW.H.Ireland(1777‐1835)や,書誌学者としての名声を悪用しみずから作成した偽版を高価に販売したワイズT.J.Wise(1859‐1937)らが有名。日本でも小野道風,松尾芭蕉,徳川家康,本居宣長などの真筆を偽造することが古くから行われ,明治期には古い木活字や古紙を使って多数の古書を偽造し,偽書の天才といわれた西村兼文なる人物がいたことを徳富蘇峰らが書き残している。 (2)の偽作は著者や関係者に断りなく著者名や書名や著述内容などを流用し,あたかもその著者自身が手がけたように見せるもの。…
※「西村兼文」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」