誠実の宣誓(読み)せいじつのせんせい

世界大百科事典(旧版)内の誠実の宣誓の言及

【従士制度】より

…古代のゲルマン人の国家(キウィタス)には,全自由人から構成される軍隊のほかに,いわば私的な軍事的主従制度があった。すなわち,自由人(若年の貴族も含まれる)が,首長や軍事能力にすぐれた者に誠実の宣誓をおこない,彼らの従士(ラテン語でcomes,ドイツ語でGefolge)となる慣行があり,この慣行を従士制度と呼ぶ。他人の従士となることはいささかも恥辱ではなく,身分の低下を伴うことはない。…

【託身】より

…コンメンダティオcommendatioの訳語で,一般的には自己の一身を相手方の保護と支配とに託し,相手方との間に支配=服従の関係を設定する行為を指すが,これがとくに問題にされるのは,ヨーロッパ封建制における封主=封臣関係の設定行為と関連してである。すなわち,封主=封臣関係の設定は,封臣たるべき者が封主たるべき者のもとにおもむき,封主に対して〈誠実の宣誓fidelitas〉をおこなうとともに,自分の両手を合わせて差し出し,封主がこの封臣の手を自分の両手で外側から包む,という行為によっておこなわれた。〈託身〉の語は,この臣従行為のうちで,誠実の宣誓を含まず,手の授受による服従儀礼のみを指す。…

【封建制度】より

…すなわち,家産制的な支配関係が,後述する封建的な支配関係に転化したのである。家士関係の設定も,それの二重の起源に照応して,託身(ガリアに由来する)と誠実の宣誓(従士制に由来する)との二つの行為によって行われた。他方で,主君は家士を保護し,武装の資を与え,なんらかの方法で家士を給養しなければならない。…

※「誠実の宣誓」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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