世界大百科事典(旧版)内の《読書雑志》の言及
【王念孫】より
…言語の音声面を重視し,古書には音声の近似にもとづく仮借(かしや)つまり当て字が多く,それを見きわめることで文意が正しく読み取れることを強調した。《読書雑志》82巻はその理論の実践編である。《広雅疏証》32巻は広く読まれ,また《古韻譜》1巻など古音学の業績もある。…
【考証学】より
…これは神聖なる経典を,研究の対象とし,かつこれを懐疑したものであって,一種の思想解放としての意味をもった。(2)経典について古い注疏の誤謬を指摘し(王念孫《読書雑志》,王引之《経義述聞》など),新しい注釈を作って(恵棟《周易述》,孫星衍《尚書今古文注疏》,孫詒譲《周礼正義》,焦循《孟子正義》など),古典研究が画期的に進んだこと。この過程で,文字,音韻に関する学問が極度に発達したことは特筆に値する(段玉裁《説文解字注》など)。…
【社会史論戦】より
…1927年の中国革命挫折は知識人に深い失望をもたらすと同時に,中国社会の現状をどう規定するか,中国革命の性格,対象,原動力,前途はどうか,いかに中国史を時代区分するか,についての論争を呼び起こした。論争はおもに《新思潮》(潘東周,王学文――中共派),《動力》(厳霊峰,任曙――トロツキー派),《新生命》(陶希聖),《前進》(陳公博),《新月》(胡適)などの雑誌上で行われ,《読書雑誌》(王礼錫,胡秋原)が4回も〈社会史論戦特集号〉(1931‐33)を出して最高潮に達するが,福建人民政府事変による同誌の廃刊で中断,のちに農村社会性質論戦として再燃する。アヘン戦争後の中国社会を《新思潮》派は帝国主義侵略下の半植民地・半封建社会としたのに対し,《動力》派はすでに資本主義社会であるとみた。…
※「《読書雑志》」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」