世界大百科事典(旧版)内の象牙細工の言及
【イスラム美術】より
…工芸諸分野における一つの共通した特徴は,装飾面全体を種々の装飾モティーフですきまなく覆う,過剰とも思える装飾で,これによって,器物本来の性質,質感,機能性などが著しく損なわれる結果を招いている。イスラム工芸には,金属工芸,陶芸,染織,ガラス工芸,象牙細工,木工芸などの分野があり,とりわけ,金属工芸と陶芸が高度の発達を遂げて,東西両洋の美術に少なからず影響を与えている。
[金属工芸]
金工においても,ササン朝ペルシア,ビザンティン,コプトなどイスラム以前の伝統が継承された。…
【象牙彫】より
…象やマンモスの牙で制作された彫刻。ときには他の動物の骨や角が用いられることもある。象牙は,耐久性があり細工しやすく,洗練された気品のあるその素材ゆえに,多くの地域,時代において,小容器,浮彫板,小彫刻などに用いられた。
[西洋]
先史時代以来,マンモスの牙の表面に狩りの場面を刻んだり,豊穣の願いをこめて彫られた象牙女性像が制作された(〈レスピューグのビーナス像〉,サン・ジェルマン・アン・レー美術館)。…
※「象牙細工」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」