負名氏(読み)なおいのうじ

世界大百科事典(旧版)内の負名氏の言及

【門部】より

…古来のカドモリとよばれる人々が,7世紀ころ百済の部司制の影響を受け,門部に編成されたと考えられる。令制では衛門府に属する伴部として門部200人があり,その職を世襲する負名氏(なおいのうじ)の中から原則として採用された。818年(弘仁9)に中国風に改称される以前の宮城十二門には,大伴・佐伯・壬生・建部・丹治比などの氏族の名が冠せられていたが,これらが古来門部として宮城門守衛の任を負ってきた氏族であると推測される。…

【軍制】より

…宮城警備のためには衛門府・左右衛士府・左右兵衛府の五衛府が置かれ,衛門府では門部・衛士,衛士府では衛士,兵衛府では兵衛が武力の主体を形成した。このうち門部は旧来の伴の伝統をつぐもので,負名氏(なおいのうじ)と呼ばれる特定の氏族が代々宮城門の警衛にあたった。また兵衛も旧来の舎人の武力的性格を継承するもので,地方豪族や下級官人の子弟が採用された。…

【氏姓制度】より

…いずれも地名を氏の名とし,国造には,君,直の姓(かばね)が多く,中には臣を称するものもあった。このように,氏姓制度とは,まず連―伴造―伴という,天皇のもとで朝廷を構成し,職務を分掌し世襲する,いわゆる〈負名氏(なおいのうじ)〉から生まれ,臣のように,もと天皇とならぶ地位にあった豪族にも及ぼされたものとみてよかろう。 それでは,天皇のもとに朝廷を構成する臣・連・伴造・国造に統治される一般の民はどうか。…

【入色人】より

…大宝・養老両令条では,内舎人(うどねり)・大舎人・東宮舎人・中宮舎人などに採用される資格をもつ蔭子孫(おんしそん)や,大舎人・兵衛・使部に任用される資格をもつ位子(いし)も,入色人のケースである。そして諸官庁に属する伴部らになりうる負名氏(なおいのうじ)の有資格者も入色人であり,たとえば主殿寮の殿部(とのもり),掃部司の掃部(かにもり),主水司の水部,造酒司の酒部,囚獄司や東・西市司の物部などになりうる有資格者たちが入色人とよばれた。また典薬寮の薬園生になりうる有資格者も入色人である。…

※「負名氏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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