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販売奨励金 はんばいしょうれいきん

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知恵蔵の解説

販売奨励金

携帯電話や通信回線の契約が成約した際に、通信事業者から販売代理店に支払われるリベートの一種。インセンティブとも呼ばれる。通信事業者が、契約後の数年間に得られる利益の一部を、顧客獲得を行った販売店・販売代理店に還元するものだが、通常は、携帯電話機やパソコンを割引販売するための原資として使われる。本来携帯電話は4万〜7万円程度の原価で製造されるが、販売される際には、販売奨励金の一部を充填(じゅうてん)し、より低価格で売られることが多かった。場合によっては、0円、1円といった極端な廉売も行われた。これは事実上、端末の料金を含んだ形で通信料金を徴収していた、と見ることもできる。端末の低価格販売は、契約者を増やし、端末の機能を高度化する助けとなっていたが、携帯電話の普及に伴い、そのビジネスモデルに様々な問題も生まれていった。特に問題とされたのは、販売奨励金の原資が、増加する利用者の通信料から生まれている、という点だ。日本の携帯電話通話料は、欧米のそれに比べ非常に高い。理由は、販売奨励金分のコストが通話料にプラスされているためである。既に国内では携帯電話が広く普及しており、大幅な新規加入の増加は望めない。そうなると、販売奨励金のコストは消費者にとって一方的な負担となりやすい。また、販売奨励金に縛られた製品作りが携帯電話機メーカーの自由度を奪い、国際競争力を落とす原因となっている、とも考えられた。そこで総務省は、2007年6月、販売奨励金制度を段階的に廃止する、との方針を打ち出し、各社に指導を行った。各社では、端末の価格と通信料を明確に分けた新料金プランと、既存の販売奨励金を含んだプランを併存させ、消費者側で選択する、という形にビジネスモデルを変更している。特にソフトバンクモバイルは、ビジネスモデルの根幹から販売奨励金を取り除き、その代わり、端末を24カ月の割賦販売とすることで、端末の低価格化と顧客の引き留めの両立を実現した。販売奨励金での割引になじんだ消費者には分かりづらい制度であったため、当初は様々な混乱を引き起こしたが、現在は定着している。

(西田宗千佳 フリージャーナリスト / 2008年)

出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」
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