資本の本源的蓄積(読み)しほんのほんげんてきちくせき

世界大百科事典(旧版)内の資本の本源的蓄積の言及

【私有財産制】より

…というのは,市場経済の形成過程とは確かに一面では封建的土地所有と農奴制の解体を伴うが,これは同時に土地を剝奪された農民や小生産者が賃労働者へと転化する過程だからである。こうして一方に生産手段の所有者たる資本家,他方に無産者たる労働者が創出されるが,この過程が〈資本の本源的蓄積〉ないし〈資本の原始的蓄積〉と呼ばれるものである。近代社会の私有財産制度は事実上はこのような過程を経て形成されたのであり,この側面から見れば,先に述べた自由な経済主体の自由交換という市場の理解はあくまで資本家をモデルとした一つの理念にすぎず,実際には市場経済(資本主義経済)とは私有財産制を軸に新たに編成された階級社会とも考えられる。…

※「資本の本源的蓄積」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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