世界大百科事典(旧版)内の資本主義的所有の言及
【所有】より
…したがって,マルクスはここで,生産手段が共同体や国家に帰属する原始共同体や社会主義社会のような共同所有社会に対して,私人たる資本家が所有主体たる資本主義社会を鋭く対比させただけでなく,所有の相異なる様式を歴史的発展段階に対応づけようとした。すなわち原始的氏族制においては共同体的所有であるのに対し,社会的分業と交換のいっそう発達した古代奴隷制においては私的所有が現れ,封建社会における封建的所有,近代社会における資本主義的所有がこれに続くとされる。 しかし現代社会の所有問題を考える場合には,マルクスの所有形態の発展段階論や,私的所有と社会的所有の区別だけでは十分とはいいがたい。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」