世界大百科事典(旧版)内の贖労銭の言及
【成功】より
…平安時代初期を過ぎるころ,奈良時代からあった贖労銭(しよくろうせん)という財貨を納めた者を下級官人に補任することが盛んになっていたが,さらに朝廷では収入不足の対策の一つとして,宮殿・官衙の建築・修理や諸行事挙行の経費に充てるため,中央・地方の下級官職を用意し,希望して任料を納入した者や,私財で負担してその〈功〉を〈成〉した者をこれに任じた。また公費で営繕することになっていた寺社の建物の場合などにも財源として官職を給し,私費で応じた者を申請させて補任した。…
【続労銭】より
…すなわち大宝律令施行後まもなく,勲七等以下の官位を帯しない者を軍団に,郡司の主政・主帳で正当な理由で解任された者を国府に出勤させて労をつなぐことを許したが,該当者の増加とともに,銭を納めて出勤に代えることを認めるようになり,一時廃止をみたけれども平安時代初期にはまったく続労銭によって任官することも行われるにいたった。そのころから贖労銭(しよくろうせん)と書かれるようになり,これによって補任される者を贖労人と呼んだ。六衛府の舎人(とねり),諸国検非違使(けびいし)・弩師(どし)などが任官の対象となり,非難を浴びながらも盛行し,中期に及んだ。…
※「贖労銭」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」