世界大百科事典(旧版)内の超越者の言及
【超越】より
…カントが対象の認識を成立せしめるア・プリオリな認識を〈超越論的transzendental〉とよんだのは,それが主観‐客観の超越関係を可能にするものだからである。(2)神学的超越概念 神学においては,有限な偶然的存在を超え出た必然的存在者つまり神を〈超越者〉とよぶ。そこから転じて,信仰によって世俗的生活を脱却し超越者に直面せんとすることや,さらにはヤスパースやサルトルの実存主義においてのように,人間がおのれの無自覚な惰性的存在を脱して,決断と選択の絶対的自由をもつ主体的実存へ飛躍することが〈超越〉とよばれるようになった。…
※「超越者」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」