世界大百科事典(旧版)内の蹄渋の言及
【蹄鉄】より
… 南宋の彭大雅(ほうたいが)はそのモンゴル見聞記《黒韃事略(こくたつじりやく)》(1237)中で,モンゴル人はひづめが損耗して薄くなり砂磧地帯の走行に向かない馬には,鉄もしくは板でこしらえた〈脚渋〉を装着すると報告しており,モンゴルの大半の馬が装蹄していなかったことをうかがわせる。脚渋は唐代以後の記録に蹄渋,木渋とも見え,中央アジアの砂漠地帯で発達した装蹄法で,古くはもっぱら木製であった。五代後晋の廷臣高居誨(こうきよかい)の《于闐(うてん)国行程録》(942ころ)にその装着法が記されており,ひづめに穴をあけ,ひもでつづる一種の馬沓(うまぐつ)であったことが判明する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」