世界大百科事典(旧版)内の蹴上発電所の言及
【水力発電】より
…このほか水路で導水して水位差を得るかわりに,大規模なダムを築造して貯水しその水位差を利用する場合,あるいは両者を併用する場合などがある。 水力発電はアメリカ,ヨーロッパにおいては1882年ころにきわめて小規模なものが出現し,日本においては90年に足尾銅山その他に小規模のものが設置されたが,一般には92年に琵琶湖疏水を利用してつくられた蹴上(けあげ)発電所(当時京都府,現在関西電力所属。ただし,当時のものは置き換えられて今はない)が日本最初のものとされている。…
【琵琶湖疎水(琵琶湖疏水)】より
…当初は大阪湾と琵琶湖間の通船が第1の目的であり,ほかに水車動力による機業,精米などの近代化や灌漑用水,防火用水など多様な目的を掲げていた。途中で水力発電のほう方が有利なことが確認されたため,水車動力の予定を変更して89年には蹴上発電所の建設が付帯工事として組み込まれ,91年送電を開始した。同発電所は日本最初の一般営業用水力発電所で,95年にはこの電力によって日本最初の市電が走り,西陣ほか市内の工場の電化に役立つなど,琵琶湖疎水事業は京都市の近代化に大きく貢献した。…
※「蹴上発電所」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」