世界大百科事典(旧版)内の農地流動化の言及
【農地法】より
…その要点は,(1)目的規定を改正し,〈土地の農業上の効率的利用をはかるためにその利用関係を調整〉という字句を挿入し賃貸借流動促進を意図したこと,(2)農地等の権利移動の制限の改正,とくに経営の上限面積制限の撤廃,下限面積の引上げ,農地改革の創設農地の貸付けの容認,農協による農業経営受託事業および農地保有合理化促進事業の創設が行われたこと,(3)小作地の所有制限の緩和,(4)農地等の賃貸借の解約等の制限の緩和,とくに合意による解約,10年以上の定期賃貸借の更新拒絶については許可を要しないこと,(5)草地利用権の設定制限など大幅な改正が行われ,農地の賃貸借流動の促進による規模拡大が意図された。しかし,この第2回改正によっても農地流動化は進展しないため,75年に農業振興地域の整備に関する法律(農振法)の一部改正という手法により農用地利用増進事業を発足させ,短期の利用権設定という手法で農地の流動化を促進することとなった。この農用地利用増進事業は,農地法による権利移動の制限,小作地所有の制限,賃貸借の法定更新の規定などの諸条項について適用除外の特例を設け,市町村が主体となり農地の利用権設定を集団的に行わしめて,農業経営の規模拡大を図ろうとするものであり,この事業が体系化,総合化されて,80年には農用地利用増進法が制定されることになった。…
※「農地流動化」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」