近親転調(読み)きんしんてんちょう

世界大百科事典(旧版)内の近親転調の言及

【転調】より

…なお,同主調(たとえばハ長調とハ短調)間の変化のように主音の移動を伴わない場合も転調と呼ばれることが多いが,厳密にいえばこれは旋法(長旋法と短旋法)の変化にすぎず,むしろ転旋と呼ぶのが適切であろう。 転調によって生じる新しい調の範囲は,18世紀末までは主調と関係の深い近親調が主体であったが(近親転調),19世紀には表現要求の多様化に伴って,主調から遠く離れた調も自由に用いられるようになった(遠隔転調)。また転調の役割も,バロック・古典派音楽における,主として音楽構造上の対比効果(たとえばソナタ形式の提示部における主調の第1主題部と属調の第2主題部の対比)から,ロマン派音楽における微妙な感情表現のニュアンスや色彩効果の多様化へと変化していった。…

※「近親転調」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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