造営料国(読み)ぞうえいりょうこく

世界大百科事典(旧版)内の造営料国の言及

【関所】より

…社寺造営費捻出のために設けられた造営関や,内蔵寮などの中央官庁が通常経費の不足分を補う目的で設置した率分所(りつぶんしよ)(関)などが京都を中心とする河川の津,港湾,京都の出入口といった交通上の要衝に置かれた。造営関は寺社修造費捻出のために知行国を付与する造営料国が鎌倉中,末期にその実質的意味を失ってきたことにより,それまで港湾などの修築にあてるため徴収されてきた通行税が寺社修造費として寄進されたものである。従来港湾などの修築には,律令政府から修理料を支弁することを原則としていたが,財源不足からしだいに国衙などにその管理がゆだねられ,置石料などの名目で通行する船舶から通行税を徴収して,これを修理料としていたのである。…

【造国】より

…平安末期に知行国がその数を増すと知行国で造国となることが多くなった。なお,鎌倉期になると1寺院,1神社の造営修理に1造国(多くは当該寺社に与えられた知行国で,造営料国とも呼ばれるようになる)を充てることが多くなり,平安期の造国の意味とちがいをみせるようになる。【小山田 義夫】。…

※「造営料国」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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