世界大百科事典(旧版)内の連載小説の言及
【雑誌】より
…純文学と大衆小説とのあいだという意味でのこの新形式は,推理,ユーモア,SFなどのさまざまな展開をともないつつ,逆に純文学と大衆小説という区別をとりはらう原動力として働いた。両月刊誌の競争は,まもなく週刊誌の連載小説にひろがり,さらには大手出版社が次々に小説雑誌を経営の要部に位置づけていったからである。 時勢の動向にたいする批判性においては,岩波書店の《世界》(1946)が,吉野源三郎編集長のもと,自主的な平和主義外交を主張する知識人たちの共同戦線を保つ働きを続け,その没後も公害問題やアジア外交にたいする分析をのせている。…
【新聞】より
…現在の日本では,教育機能は紙面でよりも,むしろ新聞社が主催する講演会,展覧会,カルチャー・センターなどの催しもののほうに移り,そしてそれはイベントづくりとして読者獲得のための商業戦略となっている。
[娯楽機能]
読みもの記事feature,クイズ,囲碁・将棋,連載漫画,連載小説などは読者獲得と,読者の固定化のために始められ,商業新聞の営利性のための重要な要素であった。たとえば夏目漱石の《三四郎》《こゝろ》などは当初新聞に発表されたものである。…
【新聞小説】より
…新聞に連載される小説。
[日本]
通常,挿絵入りで,1回1200字から1600字ぐらい,連載期間は100回から300回ぐらいである。内容は多数の読者が予想されるので,一般的,大衆的な作品が多い。したがって普通の小説と特に異なるところは少ないが,毎回見せ場を作りながら全体としてのまとまりを持たせるために,独特の工夫が必要といわれる。おもしろい筋立て,軽快なテンポ,巧みな場面転換,登場人物の出し入れ,洒脱な会話などに特徴がある。…
※「連載小説」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」