世界大百科事典(旧版)内の遣策の言及
【江陵】より
…また73年以後には紀南城内の鳳凰山一帯で多数の漢墓が発掘され,8号,9号,10号の3墓からは総計434枚の簡牘(かんとく)が発見された。墓中から出土する簡牘はほとんど書籍かもしくは副葬品の品名と数量を記したいわゆる遣策(けんさく)のいずれかであるが,10号墓からは郷村の戸口や田土の数,徭役や徴税の記録と考えられる内容のものが含まれており,史料としてたいへん貴重である。また75年に発掘された鳳凰山168号墓は馬王堆についで完全な男性の死体が発見されたことで有名であるが,同墓からは漢代の旅券の書式をそっくりまねてつくられた冥土行きの珍しい旅券も発見されている。…
【木簡】より
… 墓から発見される木簡は,一つは副葬された書物で,山東省臨沂(りんぎ)銀雀山1号墓出土の兵書類,特に一度姿を消した《孫臏(そんひん)兵法》の出土はその白眉であり,法律書を含む睡虎地秦簡は秦律をはじめ法制関係資料で,その研究は今日の最大の注目を集めている。二つは副葬品のリストで,遣策(けんさく)と命名されているが,この出土により,副葬品の名前や逆に名目から品物の形状が明らかになるという効果がある。湖南省長沙馬王堆1号漢墓,3号漢墓の遣策が有名である。…
※「遣策」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」