適合性原則(読み)テキゴウセイゲンソク

デジタル大辞泉 「適合性原則」の意味・読み・例文・類語

てきごうせい‐げんそく〔テキガフセイ‐〕【適合性原則】

適合性の原則

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

知恵蔵 「適合性原則」の解説

適合性原則

適合性原則とは顧客知識、経験、財産の状況、金融商品取引契約を締結する目的に照らして、不適当な勧誘を行ってはならないという規制のことである。こうした勧誘は投資家保護の意識に欠けるし、現実投資家に損害を及ぼす可能性もあるからである。これは金融商品取引法の第40条が根拠条文になっており、そこでは顧客属性に照らして、不適切な商品・取引については、(いかに説明を尽くしたとしても)そもそも販売・勧誘を行ってはならない、という行為規制だと説明されている(いわゆる狭義の適合性原則)。安全な投資を望んでいる人に、リスクの大きな商品の勧誘をすることが、この規制の対象となる行為の典型的な例である。 また金融商品取引法の下では、販売・勧誘してもいい商品であっても、顧客属性に照らしてその顧客に理解してもらえるだけの説明をせずに販売してはならない、と定められており、これも適合性原則(いわゆる広義の適合性原則)と呼ばれている。 金融商品取引業者等に行き過ぎがあった場合などに、すぐに適切な対応をとれるようにするためにも、適合性原則をよく理解しておくことが必要といえる。

(吉川満 (株)大和総研常務理事 / 2008年)

出典 (株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」知恵蔵について 情報

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