世界大百科事典(旧版)内の遺言相続主義の言及
【相続】より
…この割合を遺留分といい,そのようにして相続権を保障される相続人を遺留分権者という。法定相続と遺言相続のいずれを原則と考えるかについては,後者を原則とし,前者は遺言がない場合に被相続人の意思を推定して定められた補充的制度だという考え方(遺言相続主義)と,前者を原則とし,後者を一定の範囲において法律上の相続分を再調整することを認めるために定められた調整的制度だという考え方(法定相続主義)が対立する。フランスのように遺留分が大きいところでは法定相続の観念が強く,逆に相続人の決定を中心として,相続制度を組み立ててきたイギリスでは伝統的に遺言相続の観念が強い,というように国による差異があるが,相続を相続人の生活保持の観点から考える必要が大きい今日では,一般的傾向として法定相続主義に接近している。…
※「遺言相続主義」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」