世界大百科事典(旧版)内の部落差別の言及
【被差別部落】より
…しかし,これらの呼称はまだ必ずしも全国的に普及しきっているとはいいがたく,ことに,被差別部落に対する差別の撤廃のための啓発活動が行政,教育などの面で積極的に推進されていない地方では,伝統的に受け継がれてきた独特の差別呼称が,こんにちもなお日常生活の陰陽両面で用いられているのが実情である。また,集落,村落,在所などと同義の語として〈部落〉の語を適用している地方が多いので,場合によっては誤解をまねきやすいが,被差別部落を略して〈部落〉とも称し,被差別部落に対する差別を〈部落差別〉,被差別部落にかかわる社会問題を〈部落問題〉,部落差別からの完全な解放をめざす社会運動を〈部落解放運動〉という。
【被差別部落の成立】
被差別部落の沿革が,個々の被差別部落にそくして明らかになることは,部落差別の根源を客観的に照らしだし,差別の不当性をいっそう明確にしていくためにも望ましいが,なにぶんにも,ほとんどの被差別部落については伝来の文献史料が過少で,とくにその成立事情については口碑のほかに頼るべきものがない場合が圧倒的に多い。…
※「部落差別」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」