世界大百科事典(旧版)内の配位圏の言及
【配位化合物】より
…スウェーデンのブロムストラントC.W.Blomstrand(1826‐97)は有機化合物のCH2連鎖に類似した鎖状構造式(図1)を提出し,ヨルゲンセンS.M.Jørgensenはこれを改良した(図2)が,硝酸銀によってAgClの沈殿をつくるときに2種類の塩素イオンが存在することなどの実験結果を説明することはできなかった。A.ウェルナーは古典的な原子価論で説明することを断念し,1893年,金属原子を中心にして分子などがその原子特有の空間的に定まった位置に配列して第1圏(あるいは配位圏)をつくるという配位説の骨格となる理論を発表した(図3)。後になって,NH3などが結合できるのはNの孤立電子対が中心金属原子に供与されるためであることがわかり(シジウィックN.V.Sidgwick,1927),この結合は配位説を電子論的に説明するものであることから配位結合と呼ばれた。…
※「配位圏」について言及している用語解説の一部を掲載しています。
出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」