世界大百科事典(旧版)内の酔司命の言及
【竈神】より
…ただ,漢代には,竈を祭って不老不死を得るとか(《史記》封禅書),これに人を呪詛して死に至らしめるとか(同),また財を成したとか(《後漢書》陰識伝)の話があり,さらには,月の晦日の夜,竈神は天に上り,天上の司命神に人の罪過を報告するとの説(《抱朴子》微旨篇所引の緯書類)も見えるので,そのような職能をもつとされる竈神が,漢から唐の間にしだいに司命神そのものとみなされるようになったのであろう。唐・宋のころには,すでに都において,歳末に竈の口に酒糟をぬりつけ,司命神を酔わせるという行事(〈酔司命〉)があり,つまり,後世,飴を与えて司命神である竈神の口を封じるのと同趣のことが行われたことが,《輦下歳時記》《東京(とうけい)夢華録》などに見える。また,漢代には,五行説から夏に竈を祭るとの説も行われたが(《礼記》月令),これは,後世,地方によっては,12月とともに夏6月にも〈謝竈〉の行事が行われるのと相呼応する。…
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出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」